シャービィ☆シャービィ第5回公演 『星の子たちと2人の神様』 見てきた【12/23追記】

11/2 シャービィ☆シャービィさんの『星の子たちと2人の神様』観てきました。

ハッピーエンドとバッドエンドのマルチエンドだったのでどっちも観ました!同じお芝居をマチソワ通しで観るのは初めてで何故かソワソワ...。

マチネはバッドエンド、ソワレはハッピーエンドでした。それぞれの感想をしたためたいと思います✒️

 

💫バッドエンド💫

ひとまず、バッドエンド回が終わって勢いで書いています。

 

とても好きでした!バッドエンド回!オタク的な言葉で解釈してしまって情緒もないのですが、邪神ちゃん×神様にされちゃった人間の愛憎百合な物語でした。大好きです。

タリタは決して邪神ではないし、本当に真っ当に惑星を生きながらえさせたい神様なんですけど、何度も惑星の破滅を繰り返してる感じが自覚のない邪神って感じがして個人的にしっくり来たので、バッドエンドのタリタは邪神ちゃんみがあるなと思いました。超超個人的な解釈です。

あと、タリタのリタへの愛情は恋愛とか超越したそれ以上のものだと思うし百合と一言で言うのは無粋だと思うけど、便宜的に百合と思いました。実際百合どころの騒ぎではない...。

惑星の物語と聞いてたし、前半までは自然災害とか公害とかをテーマにしたポップな展開だったので油断していました。

自分の過去の失敗の打開策としてリタを生み出したタリタと、自分の存在が何者なのかもしらないままで惑星の運命を委ねられるリタと、神様のリタを妄信的に愛してしまう人間の星の子の三角関係がとても歪でとても綺麗でとっっっても残酷でした。

 

タリタの惑星リセマラの中で生み出された星の子たちが、結局神様の気持ち次第で消耗される運命にあるのに、他の為に頑張って惑星を守ろうとする姿もバッドエンドをバッドエンドたらしめていたのかなって思いました。

人間の星の子以外の星の子達達が他に対して献身的すぎて、今回クローズアップされてるのが人間の星の子だったけど違う星の子にクローズアップされてたらそれぞれにそれぞれの愛憎劇がありそうで妄想が広がります。

 

個人的に大好きだったのは、ラストで自分の事を人間だって自覚したリタがとても情緒不安定で人間らしかった所です。

好きな人に拒絶されて死にたい、自分のやってきた事がうまくいかなくて死にたい、そんな人間ならポツっとつぶやく程度の「死にたい」を神様のタリタはしっかり受け止めて手厚く殺してあげようとするのが最高でした。

物語の中盤で、タリタがリタに「タリタは命を軽く見すぎている」って言われたのをしっかり反省して、"命を大事にしている"リタが「死にたい」と願ったのを叶えてあげようとする姿に献身的すぎる愛を感じました。それでこそ人間...それでこそ神様...この物語の悲しい所は最終的には人間と神様の違いが浮き彫りになってしまう所なのかな、と思いました。タリタの「生きたいって言わないでよ!」が間違ってるけど正しい感情だし、愛...と思って泣きました。

タリタがリタを殺すために他の星の子たちまで巻き込んじゃうシーンもとっっても好きでした。タリタの動きが完全に邪神で好き。タリタの後ろに完全に触手的なものが見えました。虫の星の子の殺され感が1番好きでした。やめたげてよぉ...と思いつつ荒ぶるタリタは美しい。虫の死に様も美しい。

タリタが自分の意思で惑星を壊す程の星を呼べるって事はやっぱり前回の星もタリタの意思で壊したんだろうなぁと思って、より邪神みを感じました。

タリタは本当に気の遠くなるくらい何回も惑星を誕生させて何回も惑星の最後を見届けて来たんだろうなぁ...と思うとタリタの存在そのものが悲しい。前の惑星とかでタリタ自身が人間の星の子に惹かれてたのかなぁ...それで失敗してしまったけど次の惑星では人間の星の子を神様に仕立てあげてしまったのかなぁ...リタは本当のタリタの半身ではなかったけど、タリタの要素というか想いを少なからず含んでるのかなぁ...とか色々考えれてしまって苦しい。演出なのか偶然なのか、タリタとリタのリアクションとか仕草がすごくリンクしてる場面が何度もあって、同じ姿勢だったり動作が瓜二つで別々の存在だけどごく近しい存在って感じがしてなにか意図があるのかなぁって感じました。

 

がっつりファンタジー!って感じのお芝居は初めて見たんですが、キャラクターがそれぞれしっかり立ってるのに、誰も物語の根幹に邪魔しないし、どのキャラクターの好きになっちゃう...。

太陽の星の子と植物の星の子がシュールな笑いを取りに来てるのがめちゃくちゃツボにハマりました。太陽の星の子のハケ芸集が見たい。

みんな好きだけど、個人的には火の星の子が好きでした。毒の粉を焼き払う時、みんなが苦しんでるのをみて怯えた表情をしてるけどそれでの懸命に燃やし続けてたのが悲しいけど強くて...好き...。リタは拒絶された事への悲しみに呑まれてしまったけど、火の星の子は逆に拒絶されてもなおマザーへの愛で頑張ってた感じがして対比がつらいな〜って心に沁みました。

植物の星の子と虫の星の子とかがお互いを自然に庇いあったりしてて自然な信頼感があるのが、神様のリタとタリタがお互いを自然に信頼できてないのを際立たせてたな〜と思いました。星の子たちは何も言わなくてもお互いを心配してるのに、タリタはリタに頼ってって言わないと歩み寄れない感じが悲しい〜。

平和なシーンと殺伐としたシーンが交互に差し込まれてるのもつらいけど好きです。つらいな〜つらいな〜と思いながら最後に1番大きなつらい〜〜〜!!が来るのがバッドエンドの醍醐味...。

 

 

💫ハッピーエンド💫

ハッピーエンド回も終わってプチ喪失感を覚えながらまた書いています。

先にバッドエンド回を見てしまったので、ハッピーエンドとは言えちょっとダークな部分もあるのでは...??と思いながら観てたらゴリッゴリのハッピーエンドでした。

バッドエンドとハッピーエンドの気持ちの落差でジェットコースターできる。ハッピーエンド回を観てたら、人間の星の子は今までの惑星では2人1組だったのでは??と思いました。アダムとイブ的な。それをずっと見てたタリタが羨ましく思って自分の対になる神様(人間)を作ってしまったのかな〜〜なんて。

 

ハッピーエンド回は人間の星の子が暴走するダンスシーンで、人間の星の子がハケる直前に振り向くとこの表情がバッドエンドと全然違って痺れました。そういう違い大好きだ〜〜〜!!!人間の星の子のニュアンスが全然違ってめちゃ良かったです。善良な人間の星の子。バッドエンド回が悪の人間の星の子すぎた。

 

ハッピーエンドの最後のリタと人間の星の子の告白のシーン、タリタと妖の星の子が嬉しそうに去っていったのはなんでなんだろうって考えてたんだけど、妖の星の子はタリタが直接生み出した存在だから少なからずタリタとどこかで意思疎通ができてて、人間の星の子が人間のリタを拒絶しないっていうのがわかってたからなのかなって思いました。

 

2回みると要所要所にリタが人間の星の子だってわかる要素が沢山あって驚いた。災害は自然の星の子達にとってプラスの出来事だけど、人間の星の子にとってはマイナスの出来事で、みんなに平等にって立場の神様のはずなのにかなり人間に寄り添った物の言い方だな〜と。人間の数が減って苦しいのは、自分が人間の星の子だからなのかな、と。

神様であるタリタが自然の声を聞けなくて、人間のリタが自然の声を聞けるのはなんでかな...と思うけど、まだ上手く正解が見当たりません。あと、災害のシーンのモチーフはノアの方舟なのかな...とちょっと思ったり。

 

タリタは自分の強さと弱さを共存させない為にタリタを作ったけど、結果的に何かと共存して生きていくのが惑星の正解だったのが個人的にグッと来ました。

バッドエンドでは何かを拒絶した末の惨劇だったけど、ハッピーエンドは何かを受け入れた結果の大団円で、どっちも考えさせられる分岐だなって思いました。

 

個人的にはバッドエンド回が好きでした!

バーサーカータリタがもう1回見たい。

 

【11/6追記】

一気にハッピーバッドを見た気持ちを寝かせた結果星の子たちへの感情爆発したのでまた書きます✒️

星の子たちと2人の神様、物語もとても素敵なんですけど何がいいってキャラクター達がかわいいのが最高だと思うんです。

このキャラのここがよかった〜!これが最高〜!って言うだけの感想です。

 

💧水の星の子💧町田すずなさん

とびきりかわいいキャラクターNo.1だったのではないでしょうか。一挙手一投足がかわいい。最初に見た時、オープニングダンスの輪になった時に舞台前のサーキュレーターの風で衣装がヒラヒラしててめっっっちゃかわいかった。言動がめちゃくちゃかわいいのに、頑張る時はすっごくパワフルでそれもまたよかったです。

他の星の子にも言える事なんですけど、みんな純新無垢で他への思いやりとか優しい気持ちしか持ち合わせてないみたいな感じが日々の荒んだ心に沁みました。じゅわ〜。

 

火の星の子に対する水の星の子の姿がすごく好きで、自分もボロボロなのに怯えてる火の星の子に対して「おいで」って言うとこはめちゃくちゃグッと来ました。思い出すだけで涙腺熱くなるくらい優しさに溢れてる。きっと本来は他の星の子と助け合わなくても自分の力でなんとかできるくらい大丈夫なくらい強い子なのに、他の星の子を助ける事も助けてもらう事も素直に受け取れちゃう子なのかな〜って思いました。

 

🌪風の星の子🌪齋藤雅樹さん

よく飛ぶ星の子。人間を飛ばそうとして逆に飛ばされるとこ、円台がいくらふわふわだからってそんな勢いで突っ込まなくても...!って2回観て2回とも思いました。体が強い星の子。

 

他と深く関わる感じはしないけど、誰とも仲良くできてなぜかいつも気にかけてくれるみたいな、そんな立ち位置だな〜って思いました。

初めて見た役者さんだったんですけど、顔面の強さと頭のてっぺんから爪先まで完璧に風の星の子!って立ち振る舞いが印象的でした。指先が美しい。

 

🌞太陽の星の子🌞橋本我矛威さん

風の星の子とはまた違ったベクトルで顔面が強い〜〜と思いながら見てました。ツラに来た時に物理的な圧を感じた。

水の星の子と風の星の子が頑張っちゃうので中盤は隠れがちだったけど1人だけ惑星外の存在だから、いたりいなかったり、いたと思ったら存在感急に大きくなったりっていう立ち位置が太陽っぽいな、と思いました。

 

「いつか父ちゃんみたいな〜」ってセリフがあったんですけど、星の子たちには父とか母の概念があるって事なのかな。青と緑の惑星が爆発してその欠片に新しい生命が産まれたってセリフもあった気がするので、惑星の話はどこかで地続きになってる話な気がしました。タリタは次々惑星を壊してるけど、それぞれの惑星が以前の惑星をちょっとずつ受け継いでいってるのかな...。

 

🔥火の星の子🔥指宿理乃さん

見た目とか言動は強い子!元気な子!な感じなのに、拒絶されるのを恐れて人一倍臆病なの子だな、と思いました。

自分を生み出してくれたマザーに拒絶されて、他の星の子も自分の力できずつけてしまうかもしれないって怖がってるのに、みんなのピンチには頑張れる子...。火の星の子も、水の星の子が差し伸べてくれ手を受け入れる事ができる優しさが根本にあったから土壇場で頑張れたのかな...。守りたい!って気持ちが強い子なのかなって思って見てて、最後のマザーに「死なないでよかった、勢い強くてごめんね」ってちょっとはにかんで去るシーンで泣いた。

素はテンション高めな感じなのに、弱さを見せられるとグッときてしまう。守りたい子...。

 

火の星の子のビジュアルがすごく好きでした。客席から見ててまつ毛の長さとかカラコンの色味とかバッチリ見えて、やっぱ小劇場の距離感は最高。役者さんのメイクがみんなちょっと人形っぽいというか、人間っぽくない感じのメイクも星の子っていう超自然的な存在っぽさが出ててよかったな〜。

 

🐻動物の星の子🐻北川尚美さん

動物の星の子は動きがめちゃくちゃ動物っぽくてかわいかったです。天真爛漫で元気っ子って感じで、〜っス!の語尾もかわいい。ゴミ袋引っ張り出される所は、思った以上にゴミ袋が長くてずっとおえ〜〜〜〜って言っててつらい〜〜ってなりました。

 

火、水、風のエレメント系の星の子と動物、植物、虫の実在系星の子で苦しみとかつらいポイントがちょっと違うなって思いました。エレメント系の星の子たちは空気が汚れてる、とか水が汚れてるみたいな感覚的な苦しみだったのに対して、実在系の星の子たちは実際に打たれて駆除されたり、叩き潰されたり、実体験系の苦しみだったので、個人的には実在系の星の子たちの苦しみに心が痛くなりました。

動物の星の子がゴミ袋吐き出す所が1番辛くて、どうして食べちゃったの?って聞かれたのに対して、エサだと思ったんス...って言ってるのも、我々人類がごめんね...って思いながらつらい気持ちになりました。

動物の星の子ずっと元気でいて欲しい...。

 

 

🦋虫の星の子🦋赤坂志保さん

見た目めっちゃかわいい〜〜〜〜って思ってたら、声もかわいいし動きもかわいいし、なんなの〜〜〜〜って思ってたらデカいおかまに寄り添っててかわいいが爆発しました。デカいおかまと小さい僕っ子の組み合わせは常にかわいいと教わって生きてきました。

 

あんまり喋ってない役ではあったけど、役者さんの動き1つ1つに植物との関係とか虫の星の子の弱さとかが見えてとても印象に残りました。

自分で自分の事を弱虫って言うけど、本人自体が弱々しい訳ではなくて、惑星の中では弱い立場にあって自分でそれをどうしようもできないって思ってるからこそ弱虫って言ってるのかなって思いました。惑星の繁栄に自分達は欠かせない存在!って自負があるけど、敵わないものが多すぎるんだろうな...。虫の星の子も強さと弱さが内側に共存してる子で、植物に寄り添ってるのは植物に庇護される自分の弱さの発露でもあるし、植物を助けようとする強さの発露でもあったのかなって思いました。

 

🌿植物の星の子🌿宮崎祐司さん

そもそも『星の子たちと2人の神様』を観たきっかけが、植物の星の子の役者さんのオカマが見たかったからなんです。不純な動機でしかない。5、6年前にこの役者さんのオネエの花屋さんを見た時に、この人のオカマはすごいぞ...と思ってまさかまたオカマ役が見れる日が来るとは思ってなかったので何かの奇跡だと思いました。

 

植物の星の子は優しさ100%で、植物の包容感とオカマの全肯定感とちょっとの不躾さが綯い交ぜになったような存在でした。他の星の子が苦しんでたら寄り添ってたり、ママって呼ばれてるのも納得のママっぷりでした。お母さんっぽさもあるし、場末のママっぽさもあるのでダブルミーニングだったのかな。でも、人間の星の子の影響を受けて苦しむところも多くて、その時は他の星の子に支えてもらってたり、持ちつ持たれつというか、助けて助けられての感じがいいなと思いました。

 

宮崎さんのどこがいいって言われると、体の使い方が綺麗なとこがすごくいいな〜〜って思うんです。オカマの時の肘から指先までが特に綺麗だと思ってて、今回もめちゃ綺麗でした。あと、死に様がすごく綺麗。4月のヘンリーの時の脊髄反射死もすごかったけど、タリタ様に殺される時の死に様もめちゃくちゃよかったです。他の星の子の死に様もだいたい綺麗でみんな大好き。

 

🦊妖の星の子🦊山下りぉうさん

見た目も動きも喋り方も可愛すぎる〜〜〜!!!リタ様にかわいい〜って言われた時の高速( •᷄ὤ•᷅)و シャッ!が好きでした。

 

タリタ様の使いで、星の子たちの中で1人だけ真実を知ってるので無邪気さの中にピリッとした緊張感を含んでてゾワゾワしました。

ニコニコしたり真顔になったりコロコロ表情が変わってて、妖の星の子の心の奥が全然見えない感じがして、この子はどちらかといえば神様寄りの存在なのかな...と思いました。

バッドエンドでは1人だけ2回殺されててちょっと不憫な感じがしました。タリタ様、自分で生き返らせた妖の星の子を自分の手で殺さないであげてぇ...。

 

👦🏻人間の星の子👦🏻村田諒人さん

バッドとハッピーで1番印象が変わって面白い役でした。バッドエンドの方はもうずっと怖くて、そういう傲慢さが人間の悪いところ〜〜って思いました。逆にハッピーエンドは純粋すぎた故の過ちって感じがしてそれはそれで怖いなと思いました。

 

個人的な考察なんですけど、もしかして神様のタリタは人間の星の子がいないと存在できないんじゃないかと思いました。人間の信仰心のおかげで神様という存在が初めて生まれるのかな、と。タリタがリタに嫌いにならないで、とずっと言っていたのは、本来人間の星の子であるリタの信仰心がなくなることを恐れてたのかな、と思いました。

人間の星の子の重要な構成要素が2つあって、そのうちの1つは信仰心だと思うんですが、もう1つは愛なんじゃないかなと考えました。個人的に以前の惑星か、原初の惑星では人間の星の子は2人1組だったんじゃないかなと思ってます。対の人間の星の子への愛と神様への信仰心を持って惑星を繁栄に導いてたんじゃないかな〜と思いました。そう考えると、今回の惑星の人間の星の子はバッドエンドでは対の人間の星の子がいなかったために、神様への信仰心と人間への愛がぐちゃぐちゃに混ざってしまって信仰心と愛が全部神様のリタに向いてしまったという事なんじゃないかな、と。絶対的な信仰心と妄信的な愛を育ててしまって暴走したのかな。逆にハッピーエンドでは神様への信仰心と人間への愛を上手に共存させる事ができて、神様への信仰心は失わないまま人間であるタリタの事も受け入れる事ができたんだと思います。

超超超個人的な考察なので本編にそれを示唆してた場面とかシーンがあった訳ではないけど、そうだったら楽しいな〜くらいの気持ちです。

 

👼リタ👼宮崎まどかさん

今回の中ではTop of 不憫だなと思いました。自分の事を神様だと思ってて献身的に惑星を繁栄に導こうとしているのに、結局自分の力でどうしようもならなくて挙句の果てに神様じゃないと知らされるという...。

序盤の、「私は積極的な者。陽となってみんなを導くわ」と言ってたリタが徐々に自分の存在と実体の齟齬に気付き始めて、人間の星の子への愛を自覚して何者かがわからなくなってしまう姿が本当につらかったです。自分って何者なんだろう、誰に必要とされてるんだろうって漠然と普段の生活でも思ってしまうのでリタの悲痛な思いが容易に推し量れて悲しい気持ちでした。

 

リタが登場してからずっと、何で衣装の袖のボタンを閉めてないんだろうって気になってました。胸元のボタンと袖のボタンが同じようなボタンで、胸元をしっかり閉めてるなら袖も閉めた方が見た目的に綺麗なのになんでだろう...って思ってました。

リタが自分の手首に流れる血を見てから、自分の事を人間だとはっきり認識するのを見てから合点がいきました。実際に、2回目に手元を意識して見てたら要所要所で自分の手首を気にする所があって、そのためにボタン開けてるのか〜〜〜!!芸が細かい〜〜!と思いました。

 

💫タリタ💫我那覇ひろのさん

この惑星の中で1番好きですタリタ様。見た目も動きも声も人ならざる存在っぽさがあって、タリタ様ができるのはこの人以外いないだろうなと思いました。

冒頭の惑星のシーンで、実際には全く寒くないのにタリタ様の凍える姿を見てると周りも寒いんじゃないかと錯覚してしまいそうでした。

 

個人的な好みで、キャラクターの感情が暴走しすぎて人間の姿を保てなかったり異形になってしまうのが大大大好きなんですが、バッドエンドのラストのタリタの長い髪を振り乱して次々と星の子たちを手に掛ける姿は、演じているのは生身の人間なのに人間ではないものがそこにいる事を否が応でも理解させられている感じがして痺れました。糸で操ってるかのように殺していくのが踊ってるみたいにも感じてすごく綺麗で、星の子が殺されてて悲しいというよりも、絶対的に美しいものを見せられて涙が出る感覚でした。お芝居を見ててこんな気持ちになるのは初めてで、バッドエンドタリタ様最高でした。

 

ハッピーエンドでは妖の星の子と一緒にリタ様の恋の成就と明るい未来に素直に喜んでる姿がバッドエンドと正反対すぎて、タリタ様も幸せでいられる未来を感じて泣きました。リタ様に「あの時人間だと伝えてたらどうだった?」って聞いて、「とても幸せだった、かもしれないわ」の返答で涙腺が崩壊しました。伝えてたら幸せだったという結末は1つの分岐にしかすぎなくて、今この瞬間が幸せだよっていう事ですよね!?私はそう受け取りました...。リタ様のタリタ様への深い愛を感じました...。タリタ様は愛し方を間違えてたのかもしれないけど、それも全部リタ様の優しさで包んで幸せになるってことですよね...。「あの時〜」って聞くタリタ様の声がとっても不安そうで悲しそうなのに対してその暖かすぎる返答は泣くしかないし、心揺さぶられすぎて苦しいです。

バッドもハッピーも最高の結末すぎて涙無しには語れません。DVD見て大号泣しながら拍手しまくりたい。

 

長々と色々と書き連ねましたが1番言いたいのは、「星の子たちと2人の神様」を作りあげてくださった槭川キキさんへのありがとうございます、という事です。演劇をする事自体が歓迎されていないこの時期に素晴らしい作品を生み出してくださって、上演に踏み切る勇気を持ってくださったお陰でこの作品に出会えてとても幸せに思います。

シャービィ☆シャービィの皆様と、ご出演された皆様、スタッフの皆様のこれからのご活躍を切に願って、おしまいにしようと思います。

 

本当にありがとうございました。

 

【12/23追記】

11月の追記で、これ書いたら終わっちゃうな〜〜って思ってたんですが終わらなかったです。きっとこれが最後のハズ...。

昨日、シャービィ☆シャービィさんのクラウドファンディングのリターンが届きまして速攻でDVDを見ました。

劇場では受け止めるだけで精一杯だったシーンのあれやこれをゆっくり受け止められるので泣くとこじゃないシーンでも泣くし、これは泣くってシーンでも泣いてました。愛しさがカンストすると人って泣いちゃうんですねぇ。

DVDを見て細かくここ!!!!ここがいい!!!!って言いたい気持ちをグッと抑えて、前回の追記で1つだけわからなかった所にやっと腑に落ちる答えが見つかったのでそれだけ書きたいと思います。

 

色々考えて唯一わからなかったのが、「リタはなぜ他の星の子の声が聞ける・聞く役目を持っている」のかでした。

ただの人間の星の子なら当然特殊な力なんて持ってるはずもないし、むしろタリタの方が聞く力を持ってるんじゃないのか?と思ってたんですが、なるほど、ただの人間の星の子だから他の星の子の声が聞けたんだなと思いました。

タリタは神様で、惑星を創った存在ではあるけど惑星に生きる存在ではないというとこがミソなのかなと思います。惑星に生きるということは、他の星の子たちの影響を受けながら共存することが必要不可欠で、ただの人間の星の子であるリタは他の星の子たちと密接な関係にあるからこそ他の星の子の些細な変化や声を敏感に感じ取ることができたんだろうなと思いました。むしろ、惑星に生きていないタリタは星の子たちの声をキャッチするの困難な面すらあると思いました。

暴風雨のシーンで、タリタは「これで星が綺麗になる」と肯定的なのに対してリタは「みんなが消えていく」と否定的な気持ちを吐露しています。これがきっと2人の違いを顕著に表しているシーンだったと思います。ここは命を大切にしているか否かのシーンだと思っていたんですが、星の子たちの声がわからないタリタと星の子たちの声を聞けるリタという違いを表していたんだなぁとDVDを見返して思いました。

リタとタリタは元は1つの存在ではなかったけど、2人が揃って初めてお互いの欠陥を補える存在っていうのがまた...尊い...悲しい...大号泣です...天才...。

 

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複数台カメラがあってちゃんとカット割されててそれだけで最高なのに、ハッピーエンドとバッドエンドの分岐を感じさせるシーンの編集が本当に本当に最高なので全人類見てください...。しっかり両エンド収録されてます。

人間の星の子暴走ダンスシーンがとてもとても最高です。劇場でハッピーバッド両エンド見た後に感じた感動を一気に味わえるので本当にすごい...。